Tales of Fandom vol.2 クラトス編


ゲームキューブ版テイルズの知識が少し必要かもしれません。
が、なるべく原作知らなくても分かるように心がけます。
というか、原作知らない方がいいかもしれません・・・


ワープゾーン

Chapter 1 Chapter 2 Chapter 3 Chapter 4 Chapter 5

登場人物紹介

碇ゲンドウクラトス・アウリオン

アナザーストーリーですので主役です。というかゲンドウですね。

ロイド・アーヴィング

息子。頭が弱い。

コレット・ブルーネル

シルヴァラント救世主伝説 コレッ斗の拳。神子1。天然系。

ジーニアス・セイジ

ロイドの親友。名前通りの天才。武器はけん玉。

リフィル・セイジ

ジーニアスの姉。先生。遺跡マニア。

諸葛亮ゼロス・ワイルダー

テセアラの神子。神子2。策士。

藤林しいな

忍者。もう少し忍べ。バストとか。

プレセア・コンバーティル

成長が停止した29歳幼女。

スティーブン・セガールリーガル・ブライアン

最強のコック。 手枷してるので足をよく使う。

ミトス

とある村で災害に巻き込まれていたところをロイド達に救われる。
その後ジーニアスと親しくなるがその正体は・・・


Chapter0 育ち飾り


あらすじ

裏切りストーキング親父は息子のことが気になるのか、様子をみている。
日も沈み静かだ。今が乱世とは思えん。

「……………? あの声は……?」


「でも良かったね。 リフィル先生が元気になって。」

「だな! やっぱ先生が元気ないと、調子狂っちまうよ。」

「オゼット風邪は、手遅れになると大変なんだって。
すぐにファンダリアの花が見つかって本当に良かったよ。」

とりあえず、風邪ひいてたらしい。

「まあ、今日はがきんちょ大活躍だったもんな。 それなりに。」

「……その呼び方はやめてって言ってるよね。」

「まあまあ、いいじゃねーのよ。
で、がきんちょ二人が花を取りに行っている間、
ロイドくんは、一人で何もできずにぼーっとしてたって訳だ。」

「……そ、それは……。」

「自分だって大したことできなかったくせに!」

「何だよ。 やけにロイドくんのことかばうじゃねーの。」

「だってロイドは……。」

「ジーニアス! いいよ!」

「ロイド……。」

「あーん? 何かあったのか?」

「何でもないよ。
それよりコレット。ゼロスと一緒にいてなんか迷惑かけられなかったか?」

「おいおいおい、そりゃないでしょーよ。
ロイドくんにそんなこと言われるなんて、俺さま、深く傷ついたぞ。」

「でもしいなと先生が確認しとけって……。」

「……うわ、俺さま女性陣に信用なさすぎ。
何もしてないよな、コレットちゃん。」

この姿では信用がないのも頷けるというものだ。

「そうだよ、ロイド。ゼロスは女の人をいっぱい集めて
一生懸命お医者様を捜してたよ。」

「……へ〜え……。」

「なんだ。 やっぱりそんなことしてたのか。」

「やっぱりとはなんだ!」

なんとなく本気で怒っているように見えなくもない。


「……やはりロイドたちか。」

見事なまでの親バカであった。


「みんな、食事の準備ができたよ。」


「あ……あれは……!」


「やっほぅ! メシだー! もう腹ぺこだぜ!」

「ミトス。今日は何?」

「リフィルさんの体調のこともあるし、リゾットにしたみたい。」

「わ〜! なんだか美味しそうな匂いがするね。
早く行こう!」

・・・

「………。」

何やら胡散臭い雰囲気をそれとなく醸し出すこの軍師・・・

「二人とも、どうかしたのか? 早くメシにしようぜ。」

「うん。そうだね。ゼロスも行こう?」

「……へいへい。」


「何故ミトスがここにいるのだ……。
(……念のため、少し様子を見た方がいいかも知れんな)」

実はミトスはクラトスと同じ機関の人物。というか総大将。ラスボス。
正体を隠してロイド達に接している理由を確かめようとストーキング様子を伺っている。


「あ〜〜。 食った食った!」

「ホントだよね。三杯もおかわりするんだもん。」

「いいだろ! 育ち飾りなんだから!」

「……はあ?」

「ロイドさん……。 育ち盛り……です……。」

「う、そ、それだよ、それ!」

「……また熱が出そうだわ。」

「リフィルの為を思うなら、もう少し勉強をした方がよさそうだな。」

怖いよ。

「頑張ろう、ロイド!」

「なんだよ〜。 なんでそうなるんだよ〜!」

「勉強といえば、ミトス……。」

「え、はい?」

「あんた凄いねぇ。
ファンダリアの花の蜜を使って薬を作った時のあの手際……。
どこで勉強したんだい?」

「あ……うん……。
姉さまが同じオゼット風邪にかかったことがあるんだ。その時に……。」

「そういえば、ミトスの姉さんって……。」

「…………。
ごめんなさい。 少し、外の風にあたってくるね。」

「・・・」

急に目つきがかわる。誰かに合図を送るように・・・

「! ………。」

「ミトス……。大丈夫かな……。」


「(ミトスがここまでロイドたちと親しくなっていたとはな……)
(しかし……育ち飾り、か)」

親としては何やらいろいろと残念な気分でいっぱいだろう。


「ところでロイド。
お願いだから、もう少しだけ、勉強にも熱心になってもらえないかしら。」

「な、な、なんだよ。 ちゃんと宿題やってるぞ!」

「……でも、育ち飾りだもんね。」

「きっと時間がたつと、どんどん大きくなるアクセサリーなんだね。」

「そうか! 出世魚だな!」

「お魚さんのアクセサリーかぁ。 可愛いね!」

「コレットが会話に加わると、どうも論点がずれていくようだが……。」

怖いよ。

「すごい……です……。」


「(…………ダイク殿……。もう少し何とかしていただけなかったか……)」

注:ダイクはロイドの育ての父親


「……同情するよ、リフィルさま。」

「……お黙りなさい。
ロイド。こうなったら、今夜は補習授業を行いましょう。」

ゼロスも多分リフィルを気遣っていての発言だろうが、一蹴された。いろいろと不憫だ。

「えー!」

「えー! ……じゃありません!
徹底的に行くから、覚悟なさい。」

「先生、病み上がりじゃないか! 勉強なんて……。」

「ロイド!」

「……わ、わかったよ。」

(ロイドは育ち飾りの称号を手に入れた!)

「んじゃ、ロイドくんがお勉強の間、俺さまも夜の散歩としゃれ込もうかな〜。」

「どうせまた朝帰りするつもりだろう?」

「おや〜? しいな、妬いてんの〜?」

天地がひっくり返ってもないね。」

やっぱり一蹴された

「……ロイドくんも連れて行っちゃおうかなあ。」

……えっ!?

アーッ!

「……なんでロイドくんまで驚くのよ。」

「いつも俺が一緒に行こうとすると嫌がるじゃないか。」

「そりゃあ、俺さまの大人の楽しみを、ロイドくんに邪魔されたくないからな〜。
んな訳で、ちょ〜っと出かけてくるけど、寂しがらないでね。ハニーたち。」

じゃ、最初から呼ぶなよ。


「…………。」

「…………。」


「(……神子への指令か……。ミトス……。何を考えている……)」


「・・・。この辺りまで来れば、コレットの耳でも聞こえないかな。」

「……用心深いことで。
あのチビとの友情ごっこはそんなに楽しいかい?」

実は裏でつながりのある二人。
ゼロスはもともとミトスの機関の密偵。

「おまえにはわからないよ、神子。
おまえは薄汚い人間なんだから。」

ミトスは人間とエルフのハーフ。姉を人間の手により失っており、
極度の人間不信に陥っている。

「ははは、違いない。
だがあんたのお仲間にも、薄汚い人間さまがいらっしゃったんじゃありませんかねぇ?」

その人間こそクラトスその人である。
彼が人間ながら長く生きているのは機関の作った特殊装備品によっていたような・・・確か。


「…………。」


「仲間、ね。確かに仲間だったよ。 四千年前までは。」


「(四千年前、か……)」


そして物語は四千年前の回想へ続く・・・


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