世界史精選問題2007 respect for T.I

第一問 次の文章の【  】に適切な語句を記入しなさい。また傍線部について次の問いに答えなさい。ただし、*については答えなくてよい。(25)

トロイア戦争がことさらよく知られているのは、この戦をテーマにして盲目の吟遊詩人【 1 】(西暦前8世紀頃の人)が〈【 2 】〉〈【 3 】〉二つの抒情詩を残しているからだ。歴史のもっと古い時代を飾る古典文学として愛唱され愛読され、時代を超え燦然と輝き続けて今なお価値を失わない名作二つである。 大雑把な言い方が許されるならば、〈【*2*】〉はトロイア戦争の十年を伝える叙事詩である。〈【*3*】〉は、この戦争に参加したイタキの領主【 4 】が故国に帰り着くまでを伝える叙事詩である。【*4*】はさまざまな苦難に見舞われ、無宿者同然の姿で故郷へ帰り着く。それを待つ貞淑なペネロペの嘆きは深い。 「どうせ【*4*】は死んでいるさ。わしの妻になれ」と言い寄る多くの求婚者から固く身を守って夫の帰りをひたすら待ち続けている。そして最後はドラマチックな再開・・・。あらすじを知る人も多いだろう。 トロイア戦争に話を戻せば、まず英雄【 * 】。彼はギリシャ軍の中でもっとも強いと目された勇者であった。母親は女神のテティスである。大神ゼウスが見そめて交わろうとしたが、テティスは不思議な子宮の持ち主であった。このことはすでに触れておいたが、もう一度繰り返せば、テティスの子宮は必ず父より強い子を生む。ゼウス自身が自らの父を追放して神々の王座についた過去を背負っている。なまじ自分より強い息子などを作ってしまっては、自らの立場が危うくなる。【 5 】の助言を受けてテティスをあきらめたのであったが、このテティスがプティアの領主ペレウスと結婚して生んだのが【 * 】だ。テティスは【 * 】が不死身になるようにと両足首をにぎって冥府の川に漬け込んだ。この川にそんな効能があったからだ。 【*4*】の全身は水を浴び不死身となったが、テティスが握ったところだけは水に触れず、(a)そこが弱点となった。          
トロイアの兵士が酔いしれて眠る頃、(b)【 6 】の中からギリシャ兵が忍び出て城門を開け、沖に向かって合図を送る。ギリシャの船団がたちまちに戻ってきてひらかれた城門から攻め込む。かくて(c)□□□□のトロイア城も落城の憂き目を見ることとなる。  トロイア軍は全滅。たった一人生き残った武将(d)アエネイスはトロイア再興を夢見て【 7 】海をさまよい、イタリア半島へ上陸。これが古代【 8 】建国の基となる。  勝利の大将軍(e)アガメムノンは華やかに【 9 】に凱旋するが、留守を尋ねた妃と、その情人によって暗殺される。

【 10 】は予言の神である。ギリシャ人にとって予言はどのようなものだったのか?そもそも予言とはどういうものなのか。 【 11 】を通してみる限り、予言は必ずその通り実現するようだ。れっきとした神が予言したものであれば、その通り事態が生ずる。起きないときは・・・なにかしら理由が存在しているしあるいは予言そのものが偽者なのだ。トロイアの女王【 12 】は未来を予見する能力を持っていた。百発百中彼女の予言はすべて的中した。【*12*】にこの能力を与えたのは【*10*】である。恋の贈り物として・・・。つまり【*10*】が【*12*】を見そめ、「私の恋人になったら予知能力を与えてやろう。」と約束した。【*12*】はそれをもらい受けたところで【*10*】の恋人となった自分の未来を予想してみるとろくなものじゃない。彼女は逃げ出して彼の意に沿おうとしない。そこで彼は悔しまぎれに、−よし、彼女の予言を誰も信じないように−という条件を追加した。かくて【*12*】の予言は常に的中するのだが、誰も信じてくれない。【*11*】はこんなロジックを用いて予言効果の整合性を保っているのである。

アブラハムは、【 13 】人の祖先とされている人だ。聖書の伝えるところでは、もとバビロニアに住んでいたが、一族を引き連れてパレスチナへ最初に移住した。彼は【 14 】南部のへブロンというところにいたが、甥のロト一族が、安楽な値を求めて死海の近くに分住することとなる。しかしロト一族は、アブラハムに逆らって移住したため、神の罰を受けたことにされる。 彼らの住んだ【 15 】と【 16 】の地方は道徳的に穢れたところだったので、天使によって滅ぼされることとなった。【*15*】と【*16*】が悪徳の町の代名詞として残されているが実はこの地方が古代に災害を受けたあとが発見されているという歴史の事実が根底にある。
人々は預言者【 17 】が長いこと帰らなかったので、エジプトで拝んでいた金の子牛の像を作り、そのお祭りをしてさわいでいた。【*17*】はこれを見て激怒し、【 18 】の命令の板を壊し、反乱者を処分した後、再び山にこもってしまった。人々は驚いて、心から悔いた。それを見て、【*17*】は二枚の石の板を携えて、人々の前に立ち、厳粛に【*18*】との約束をさせた。二枚の板には有名な“【 19 】”が刻まれていた。(【 20 】20章より)これが【*13*】教の始まりといわれる。

(a).【 * 】の弱点とは具体的にはどこか。ヒントは文章中にあり。【 21 】
(b).【 6 】の考案者とされている人物を本文中から抜き出せ。【 22 】
(c).本文に即した四字熟語を答えよ。【 23 】
(d).抒情詩『アエネイス』の作者は誰か。【 24 】 
(e).悲劇『アガメムノン』の作者は誰か。【 25 】


第二問 次の【  】にはいる言葉を書き、また、下線部について以下の設問に答えなさい。(40)

A. 【 26 】は今から3500年前ほど前、【 27 】王国時代、第18王朝の【 28 】(エジプトで王を意味する)、 アメンホテプ3世の子供、【 29 】の造営した都の遺跡である。【*29*】は【 30 】神を否定し、 新しい神、【 31 】を唯一国家神とする宗教改革を断行した【*29*】でヨーロッパ人から 「@異端の王」とか、「一神教の元祖」とか呼ばれ、尊敬されている人だ。 そしてその名を、【 32 】(【*31*】にとって有益なという意味)と改名し、 当時の都があったルクソール(当時はワセト、ギリシア語では【 33 】と呼ばれていた)から ここへ都を移した。

B. 【 34 】たちは、人間としての誇りを打ち砕き、自由を奪い、 苦痛を押し付けるローマ人の仕打ちに、ただ黙ってばかりいたのではなかった。
 まず、【 35 】で、紀元前139年20万の【*34*】が反乱を起こし、 8年あまりも島の大部分を占拠した。紀元前133年、時の護民官グラックスが、 土地改革を行って、【 36 】農民を増やそうとしたのも、反乱を抑えられなくなるのを恐れたためであると言う。 反乱の中でも規模が特に大きかったのは、スパルタクスによるものであり、 ローマの歴史家アッピアヌスもこのことを記している。スパルタクスの反乱が終わってからの約40年間は、 誰が独裁権を握るかと言う問題に争われた内乱の時代であった。まず【 37 】が次にカエサルが登場した。 しかし、二人ともA最後は無残な死を遂げた。カエサルの後を狙った【 38 】もまた失敗した。 最後に現れたのがカエサルの若い養子のオクタヴィアヌスである。彼は慎重に事を運んだ。 B【*38*】を破って内乱を終わらせ、エジプトも併合した。紀元前27年彼は【 39 】から 【 40 】(尊厳者)の称号をもらった。

C. C時の教皇は十字軍を起こす理由を、異教徒のセルジューク=トルコ人から、 聖地【 41 】を守るためだと言った。だが事実はどうであったのか。
 【 42 】にいたイスラム帝国のカリフはセルジュークの族長【 43 】に 「スルタン」の称号を与えた。これ以後、【 44 】世紀中ごろまで、 中央アジア諸地域がセルジューク=トルコによって治められる事となった。 セルジューク帝国には【 45 】のような優れた宰相が現れ、D学問・文化もさかんになった。 隊商路や巡礼路はよく整備された。第二代の【*44*】の【 46 】の時代には隊商たちは、 危険なく全国土を旅行できたといわれている。
 もともと、イスラム教の国では、キリスト教もユダヤ教の信仰も認められており、 E異教徒であるというだけで迫害を受けるようなことはなかった。 ヨーロッパをあげてパレスチナに攻め込まなければならないほどの巡礼迫害は 起こっていなかったと言うのが事実である。
 【 47 】公会議のあと【 48 】年に第一回十字軍が派遣された。 さらに第二回十字軍をドイツ王コンラート3世が組織したが、 この動きを察知していたイスラムの英雄【 49 】の軍がいっせいに襲いかかった。 それから3年後、イギリス王【 50 】が率いていたF第三回十字軍が、 【*41*】の再占領を目指し最後まで【*49*】と戦い続けたが、勝負はつかず、 むなしくイギリスへ帰っていった。その後教皇【 51 】が第四回十字軍を組織したが ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルを略奪するに終わった。 その後も何度か十字軍は結成されるがあまり効果は挙げられず拠点都市アッコンを陥落させられ 終了した。

D. 【 52 】がその著書『社会契約論』の中で【 53 】島について述べたことの 半分は当たりで半分ははずれであった。この本が世に出て7年後、この島の出身のナポレオンが、 ヨーロッパをひっくり返す大事業を成し遂げたからのだが ルソーが期待したように理想的な共和国は生まれなかった。
 この頃、パリで、国王ルイ16世一家がヴェルサイユ宮殿から【 54 】宮殿へ移ったが、 Gパリの女たち約六,七千人が王と貴族にパンを要求するために、 ヴェルサイユ宮殿に押しかけたためだ。この後フランスでは約二年かけて最初の憲法 【 55 】が作られた。

*設問*
@二ケーア公会議で異端とされたのは何派か。【 56 】
Aシェークスピアの作品『ジュリアス・シーザー』にてカエサルが暗殺された時の彼の言葉を答えよ。【 57 】
B戦いの名称はなにか。また、このとき滅んだ王朝は何か。【 58 】、【 59 】
C誰か。【 60 】
D各地に建てられた学校の名称は。【 61 】
E彼らの通称は。【 62 】
F遠征中に事故死した神聖ローマ帝国の皇帝は誰か。またそのあだなを漢字で答えよ。【 63 】、【 64 】
Gこの出来事をなんというか。【 65 】


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