Proof of the existence セカンドシーズン


2014年 2月上旬

遂に決着をつける時が来た。
一年来のマラサイMGに引導を渡す時が遂にやってきたのだ。

そんな筆者の心を嘲笑うかのように、
プラモデルキットの魔の手は筆者のいる空間を見事に切り抜き、無限地獄へと引き込んでいくのだった。


2014年 2月下旬 ―Eagle S!ck(VIP)を聴きつつ


「そもそも、毎年毎年2月の三連休にプラモ作って一日費やすっていう発想がおかしいと思わないか?」

「まあ作るって公言した手前、するべきことはやっておかないとな。
ホンネは、マラサイ関連の賑やかしがそろそろウザくなってきた、ってことはあなたと二人だけの秘密だ。」

「うん。いつにもましてテンション低いぞ。
懸命な諸兄の方々はお気づきだと思うが、当制作日誌は開始時点のモチベーションが最も低い。
今更なんだが、手先の不器用の偏差値に関しては自信があるからな。」

「ということで、去年のおさらいになるので説明は割愛させてもらう。

二体を一体に見せる作戦を語ろうとしても、語ることがないんだ。察してくれ。

「うん、やる前から心が折れそうだ。取り敢えず飲もう。」

かくして、飲酒プレイの火蓋が幕を開けた。
そして文字通り、心の中に当分刻み込まれるであろう火傷を負うことになろうとは、
この時知る由もなかった。


HEAD and BODY UNIT

ザク系の頭部構成に加え、バルカンユニットを両サイドに配し、
それらを日本の兜の錣状のネックブレードで覆っている。
バルカンユニットは換装可能で、マイクロミサイルボッドなども検討されていた。
通信機能許可用のブレードアンテナはデフォルトで装備されている。
一説には・・・

「一説以降の内容を知りたければ、買って確かめてくれ。

手始めに説明書の通り頭部と胸部から作ってみた。
HGを作るときもこれから始まったんだったっけ?
別に感慨深いこともないんだが。

MGといっても思ったほど大きいわけでもないのか。ネロ帝の頭といい勝負じゃないか?」


「続いて腕部の組み立て、と。この時点ではまだまだ完成には程遠いな。
というか今の状況だと、ネロ帝に分解された残骸に見えなくもない。

因みに、ARM UNIT解説がないのは別に紹介するのが嫌になったからというわけではない。

そもそも説明が載っていないのだ。

前回ゴッグを作った時にはこれでもかというくらい各パーツの詳細を悉に解説していたというのに、
これは一体どういう風の吹き回しなのだろうか?

本編におけるマラサイの扱いが如何様であったかということが容易に想像できるだろう。

The Winds of Jaburo

連邦軍はジャブロー基地を放棄して囮としてエゥーゴをおびき寄せ、
地下の核爆弾諸共に爆発させようとしていたのだ。
クワトロを追ってエリア2に侵入したカミーユは、捕らわれたレコアの気配を感じる。
その時、追いすがるジェリドがマラサイでMk-Uと百式に襲いかかる。

百式のパイロットの反応に下を巻きながらもジェリドは、
なりふり構わず味方を盾にしてまでカミーユを付け狙う。


「間に、FIGHT'S ONとかいう雑誌の特集みたいな解説を挟んだ後は、
一気に組み立てが捗っていく。」

筈だったのだが・・・
WAIST UNITの作成に差し掛かったあたりから、舞台装置の歯車が欠けてしまったのか、
事態は泥沼の様を呈する。酒が回ったか、鬼に笑われたか、
この辺りから、全くと言っていいほど精彩を欠く。

それはさながら、初段のプレイヤーに10失点してしまうどこぞの球団のようであった。(実話)


「・・・なんだこのパイプ。ふざけてるのか?
数が多い上に細かいぞ。」


「・・・図が読めなくなってきた。
正しく作ったつもりが、既に取り返しの付かない事態になっている。

パーツ嵌まらないし、方向間違えるし、間違えたパーツ取れないし、
取り外したパーツはパーツで何処かおかしくなったのか、しっかり嵌まらないし。

・・・何か脱臼グセついたピッチャーみたいな感じだ。

LEG UNITの制作に入り、片足だけで早3時間・・・
パーツも指先もボロボロだった・・・


濁りが臨界点を超える。


見開きのページくらいまではできるだろう―――
そんな楽観的な見立てが全てを狂わせた。

自分に課した目標は最早、足枷でしかなく、辛抱強く使い続けるサードの置物の如き苦悩である。
無様な敗北をくれてやられ、心が折れかけている。

丑三つ時を軽く超える頃、テレビからツァーリ・ボンバをいつ発射しても構わないという毅然たる態度を、
水の底に沈め、聖母の如き微笑みで迎えてくれる啓蒙専制君主だけが、心を繋ぎ止めてくれた。
唯一信じれるここが救いだった。


「寝るぞ。寝る。酒が不味くなった。」


(で、マラサイはできたん?)

(デカールしたら終わるわ― 大絶賛SG濁り中。)


ネロ帝とほぼ同じ身長。

「パーツがあぶれてるけど、もういいわ。めんどくさい。」

無の境地


取り敢えず対峙させてみる。

「あと、相変わらずライフル持たせることができない。
今回は先端破損とかしなかったけど。(精神汚染は存分に進んだが。)
バリュート用のキット?知らん。」


皇帝サイド。


「因みに浅田真央がFPで滑った時の曲が
去年の発表会で弾いた楽曲になります。
アイスダンスのペアもエキシビジョンで使っていたな。(宣伝)」


「・・・というわけで、当分作ることは無いだろうね。
酒の味がここまで化けるとは・・・こんなマズイ酒ならもう二度と飲まない。」

「・・・」

「何でや。」

「うん、ここまで自分の不器用さを呪いたくなったのも久しぶりだよ。
総製作時間15時間というのも過去記録を大幅に更新してるし。

MGを高々1体作ったところで調子に乗ってしまったのがそもそもの誤りだったことに気付かなかった。
完全に自分のミスだね。

今回学んだのは、酒飲みながら作るもんじゃないってことだね。注意力が散漫になって、
いいことが何もない。

ここまで終始モチベが上がらなかったはフェアじゃないね。」

「いや、そんなことも無いと思うが・・・」

「じゃあ、ガンダムじゃなかったとしたら、何になるん?
車か、オートバイか、戦艦か。」

「その中だったら車。いやでも当分向き合いたくないな・・・」

自己保身のため、軽く表明だけしとく。

セカンドシーズン(完)


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